大日本印刷株式会社(DNP)グループは、出版・商業印刷からパッケージ、デジタルソリューションまで幅広い分野で事業を展開し、社会の課題解決を支えています。同社では、これまで20年以上にわたり「宇宙日本食パッケージ」の開発・提供などを通して宇宙分野に取り組んでいます。今回は、同社グループ内の株式会社DNPデジタルソリューションズで、衛星データを活用した新規サービスの企画を担当している相場さんに、Space BDが提供する宇宙産業人材 実践型育成プログラム「HURDLES 衛星システム開発編」のオンデマンド講座とワークショップに参加した経緯や、得られた成果、今後の展望などについて話を伺いました。
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- DNPデジタルソリューションズ 相場 武友 さん
株式会社DNPデジタルソリューションズは、DNPグループのシステムインテグレーターです。金融、製造、流通など幅広い業界を対象に、Webシステムやスマートフォンアプリの企画・設計・開発から保守・運用まで、総合的なITソリューションをワンストップで提供しています。
現在、当社では衛星データの利活用を新たな事業領域として検討・推進しています。まだ模索している段階ですが、第一次産業や社会課題の解決を主なターゲットとして衛星データを活用したソリューションの検討を進めています。これまで生成AIやクラウドを手段として活用してきたように、今後は衛星データも新たな技術要素の一つとして加え、顧客課題の解決につなげていきたいと考えています。
もともとはITシステム部門に在籍していましたが、現在は事業企画部で新規サービスの企画やソリューション開発に取り組んでいます。そのなかで、私は宇宙ビジネスの推進を担当しており、特に、衛星データを活用した新たなサービスやソリューションの企画を進めています。また、社内で宇宙ビジネスに関わっているメンバーは数名ほどと限られているため、社内への情報発信や啓発活動にも力を入れています。
衛星データを活用したソリューションを企画するなかで、自分の知識不足を痛感したことが大きいですね。これまでは衛星データに注目していましたが、新規サービスやソリューションを考え始めると「なぜこれらのデータを取得できるのか」「どのような仕組みで価値が生まれているのか」といった背景まで理解できていないと感じる場面が多かったです。
衛星データをビジネスに活用するには、人工衛星や宇宙ビジネスの仕組み、さらには国内外の活用事例まで把握しておく必要があります。そうした全体像が見えてはじめて、新しい提案や次の展開につなげられるのではないかと思いました。その壁に直面したことで、宇宙分野を基礎から学び直す必要があると強く感じたのがきっかけです。
宇宙ビジネスに関する知識を体系的に学べたことが良かったです。また、テーマごとに短くコンテンツが分かれていたので、スキマ時間を活用して受講できた点も非常に助かりました。好きなタイミングで視聴できるオンデマンド形式は大きなメリットだと思いますね。
さらに、今回ワークショップも受講しましたが、オンデマンドで基礎知識をインプットし、その後ワークショップで実際に考えたり議論したりすることで、より理解を深められました。
ワークショップを通じて新たに気づきや疑問が生まれた際には、オンデマンドの内容を振り返ることができます。一度学んで終わりではなく、インプットと実践、そして復習を行き来しながら理解を深められる仕組みになっていた点は、とても魅力的でした。
実際にワークショップで課題に向き合ってみると、理解したつもりでも十分に消化しきれていない知識があることに気づきました。ワークショップで具体的なテーマについて真剣に議論し、自分なりに考えを整理することで、学んだ内容が少しずつ血肉になっていく感覚がありました。
知識はインプットするだけでは身につかず、自分事として考えてはじめて理解が深まるということを改めて実感しました。

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- オンデマンド教材「宇宙システム」より抜粋
繰り返し趙先生がお話しされていた「衛星・地上局・ロケットがシステムとなって形成されている」という考え方は強く印象に残っています。これまでは、データ活用の観点から宇宙ビジネスを捉えていましたが、講義を通じて衛星だけでなく地上局やロケットを含めた一連のシステムが連携することで成り立っていることを理解できました。
また、人工衛星は更新サイクルが早いため、開発コストだけでなく継続的な投資や運用計画が重要になる点も印象的でした。
宇宙ビジネスにおける法規制の内容も非常に参考になりました。実際にビジネスを構想する立場になると、技術や市場だけでなく法制度や官公庁への申請といった制度面を理解しておく重要性を改めて認識しましたね。
さまざまな企業の方と議論できたことは、ワークショップの大きな価値の一つだったと感じています。今回、当社からは私一名の参加でしたが、他の企業の方とチームを組み、課題に取り組みました。会社や業界の枠を超えた多様な視点をもとに議論することで、さまざまな角度から一つのテーマについて考えることができましたし、自分にはなかった知識や着眼点を得られました。

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- ワークショップの様子
まず、宇宙業界との距離感が大きく縮まったことです。これまでも衛星データの活用という形で、宇宙分野には取り組んでいましたが、宇宙産業全体についてはどこか遠い業界という印象がありました。
しかし、タスクの分解やWBSの作成、リスク管理などプロジェクトマネジメントの考え方は、人工衛星の開発や運用でも、ソフトウェア開発と共通している点が多いことに気がつきました。
また、受講前と比べると衛星データ活用のサービスやソリューションを企画する際の視点も広がったと感じます。特に、サクセスクライテリアを成功か失敗かの二択で捉えずに、「ミニマム」「フル」「エクストラ」と段階的にゴールを設定することで、プロジェクトの実現可能性をより現実的に評価できることを学びました。
リスク管理の観点でも、宇宙ビジネスは考慮すべき項目が多いことを実感しました。例えば、法規制や周波数調整など官公庁への申請だけでなく、海外政府や海外パートナーとの調整、部材調達、サプライチェーンなど、多面的なリスクを見据える必要があります。
構想段階の取り組みも多いですが、成果を生み出し、当社として宇宙産業における存在感を高めていきたいと考えています。
まずは、第一次産業や社会課題の解決に貢献できる取り組みに注力したいと考えています。衛星データを活用した意思決定支援や広域環境の可視化はその一例ですが、そこにとどまらず、衛星データの特性を活かしながら多様な分野で新しい価値を提供していきたいです。
宇宙ビジネスへの参入を検討している企業にとって、最初の壁は情報収集だと思います。まずは基本的な知識を体系的にインプットすることが重要です。
宇宙というと、ロケットや天体といったイメージが先行しており、ハードウェアの世界として捉えられがちです。しかし、実際には衛星データの活用やシステム開発など、さまざまな関わり方があります。知識を得ることで、自社との接点も見つけやすくなると思います。
また、情報収集だけでは知識は定着しません。学んだ内容を実践して理解を深めるアウトプットの機会も必要です。その点、HURDLESは宇宙ビジネスへの参入を検討している企業だけでなく、衛星データの利活用に関心をもつ企業にとっても学びの多いプログラムだと思います。宇宙産業の全体像を理解できるだけでなく、自社事業との接点を考えるきっかけにもなります。特に、ワークショップで実際に企画提案を体験できる点は大きな魅力です。知識を身につけるだけではなく、試行錯誤しながら事業を考える経験ができるため、宇宙ビジネスへの理解をより深められると思います。
宇宙ビジネスを自社の事業として捉え、具体的な一歩を踏み出したい企業には、ぜひ一度受講してみてほしいですね。
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- 相場 さん(中央)と
Space BDでHURDLESを推進する教育事業ユニットの笠原(左)&平野(右)


