非宇宙業界からでも参入できる。HURDLESでみえた既存技術と宇宙市場のシナジー

日東工業株式会社は、高圧受電設備や分電盤などの電路資材、システムラックなど幅広い分野の製品を提供し、社会インフラを支え続けている電気機器メーカーです。同社では現在、新規事業の一つとして宇宙ビジネスへの参入検討を進めていますが、異業種からの挑戦において「宇宙人材の育成」が大きな壁となっていました。
 

そこで、同社新規事業企画室は、Space BDが提供する宇宙産業人材 実践型育成プログラム「HURDLES 衛星システム開発編」のOn-demand講座およびWorkshopを導入しました。今回は、導入を推進し自らも受講した金筒崇宏(こんどう・たかひろ)さんに、HURDLESを導入した経緯や、得られた成果と今後の展望などについて伺いました。

日東工業 金筒 崇宏さん
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日東工業 金筒 崇宏さん

導入の決め手は、宇宙市場や衛星開発の基礎知識を体系的に学べること

ーチーム内での役割と、現在取り組まれている宇宙ビジネスの概要について教えてください。
本社ショールームの様子
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本社ショールームの様子

現在、私は新規事業企画室に所属しております。「日東工業の10年後の未来」というコンセプトを起点に、主に陸上養殖、農業、宇宙の3つの領域で新規事業がスタート。2025年頃から商品企画部で新規事業を推進する動きができ始め、今年の4月から正式に新規事業企画室として発足しました。
 

実は、小学生の頃から天文学者になりたいと思うほどに宇宙が好きで。社内で宇宙に関する新規事業の担当者募集の話が出たときは、大変わくわくしました。
 

現在の宇宙の取り組みとしては、ロケット開発や発射施設における電力供給、制御システム、通信インフラなどの分野で、日東工業グループの幅広い商品やサービスを提供しています。

ー宇宙ビジネスへの参入を検討する中で、どのような課題を感じていましたか?

右も左もわからない状況だったので、はたして我々の技術を宇宙ビジネスにどう活かせるのか、ゼロから調査するのが大変でした。当社は、金属加工技術を扱う会社ということもあり、衛星や宇宙工学などのバックグラウンドをもつ人材がほとんどいません。そこで、まずは宇宙業界の方々との関係性を作っていくことから始めました。

ー「HURDLES」を受講しようと思った決め手を教えてください。

衛星開発で何か関われるのではないかと考え、衛星に関する講座プログラムを探していました。他のサービスもいくつか比較検討する中で、趙孟佑 教授にHURDLESを紹介してもらったんです。
 

HURDLESを選んだ決め手は、まずオンデマンド型の講座であること。やはり、非宇宙業界の自分が衛星開発の講座プログラムに出席するのは些かハードルが高いと思ったんですよね。その点オンデマンド型の講座なら、平日働いているスキマの時間に受講できますし、自宅でも受講可能です。また、宇宙市場や人工衛星の基礎知識、衛星開発プロセスなど、基本的なことを一通り学べる点も魅力でした。

非宇宙業界でも理解しやすい「HURDLES」の講座設計

ーオンデマンド講座を受講してみて、特に印象に残った講義内容や、効果的だと感じた点はありましたか?

導入から学べたのが非常に良かったです。今まで書籍を読んだり他の参入企業の方と意見交換をしたりして、宇宙ビジネスの市場を把握していたのですが、あらためて情報や知識を整理できました。宇宙ビジネスに関する市場調査の経験がない人でも、オンデマンドで導入知識から学べるので効率的でお得だと思います。
 

また、設計開発プロセスでも学びが多かったです。宇宙ビジネスに限らず、開発現場では、先輩からOJTで学ぶことが少なくない中、あらためて体系的に学んだことで、なんとなく経験則で理解していたことがクリアになりました。
 

途中の演習問題も良かったですね。講座を受けてから正誤形式の演習問題があるので、自身の理解度をその都度確認できました。

ー2日間のワークショップはいかがでしたか?また、その内容は日常の業務にどう活用できそうですか?

オンデマンドの講座で学んだ内容を対面講習で実践する流れだったので、設計や仕様の決定といったプロセスを肌身をもって知ることができました。また、実際に手を動かす前に衛星のミッション設計に関する内容を詳しく解説してくれる講義があります。イメージしやすいように、身近な物に例えてわかりやすく説明してくれたので、「衛星ってなんだか難しそうだな」という不安も解消されました。

ワークショップの様子
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ワークショップの様子
オンデマンド教材「ミッションサクセスクライテリアとは」より抜粋
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オンデマンド教材「ミッションサクセスクライテリアとは」より抜粋

その中でも、特に印象的だったのがサクセスクライテリア(成功基準)です。サクセスクライテリアとは、プロジェクトやミッションの目標に対する達成度合いを測定するための指標のことです。
 

この考え方は、人材育成という観点においても非常に重要だと思っていて、ぜひ社内に共有・展開したいですね。また、対面講習では宇宙ビジネスに参入したい他企業の方との接点をもてます。そういった方々と交流や意見交換をする中で、刺激を受けるのはもちろん「一見結びつきがない非宇宙業界も、宇宙ビジネスに関わっているんだな」ということを知りました。
 

意外と同じような悩みを抱えている方も多く、「悩んでいるのは自分だけではないんだな」と安心感や心強さを得られるのも良い点ですね。

ーオンデマンドからワークショップへと段階的に受講することで、理解の深まりやメリットは感じられましたか?

そうですね。ワークショップ受講時にも「ワークショップ単体でも受講可能ですが、事前にオンデマンドを受講しておくことで、より理解が深まります」との説明がありました。実際に、オンデマンドで宇宙ビジネスの全体像や人工衛星に関する基礎知識を事前に学んだことで、ワークショップではより具体的に内容をイメージしながら取り組むことができ、理解が一段と深まったと感じています。

宇宙ビジネスは遠い世界ではない。衛星開発も「ものづくり」の延長線上にある

ープログラム受講後、宇宙ビジネスに対してのイメージはどのように変わりましたか?

宇宙と聞くと自分の業界とは関連性が低いかもしれない、専門領域で飛び込むハードルが高いかもしれないと感じる人も多いかもしれません。私も実際にそうでした。

 

衛星開発であっても、顧客ニーズに対して要件や仕様を決めていく流れは製造業と大きく変わらないということを知って、宇宙ビジネスに対して漠然とイメージしていたものが、より身近に感じられるようになりました。

 

また、今回の講座を受けて、当社の既存事業と宇宙市場のシナジーや、今後どう参入していくかという仮説立てをより解像度高く行えるようになりました。私たちの宇宙事業を次のステージへ進めるヒントを得られたのは間違いないです。

ー宇宙事業に関する今後の展望や実現したい目標をお聞かせください。

我々は、地上の電気インフラを支えている会社なので、今の電気設備の技術を活かし宇宙でも活用いただけるような未来を描けると良いと考えています。それこそ、火星や月のインフラなども全て日東工業で開発することができれば、製造業冥利につきますね。

ー最後に、宇宙ビジネスへの参入を検討している企業や、社内の人材育成に悩んでいる方々にメッセージをお願いします。

製造業の方々には、ぜひHURDLESを受講してみてほしいですね。先ほども話したように、ものづくりの基本は共通している部分が多いからです。この講座を受ければ、宇宙ビジネスへの距離感がグッと縮まると思います。
 

我々はまだ模索段階です。これから宇宙ビジネスに参入したいと考えている、すでに動き出している会社様と共に力を合わせて頑張っていきたいと思っています。困った時は助け合える、競争ではなく共創できる関係を築けたら良いなと思いますね。

金筒 さん(中央)と
Space BDのHURDLESを推進する教育事業ユニットの平野(左)&笠原(右)
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金筒 さん(中央)と
Space BDのHURDLESを推進する教育事業ユニットの平野(左)&笠原(右)

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